若い世代の隠れたリスク

新型コロナウイルスに関しては、色々な意見が流布していてその中にはかなり怪しいものも多いのですが、その中で言っていることは正しいのだけれど、その内容に関してちょっと疑問を感じるものが。それは、「若い世代は重篤化しにくいのだから、ワクチン接種が高齢者にほぼ完了した現在、制限を緩和して元の生活に戻るべき」というような意見なんですが、結構著名な人やそれなりに私もその人の意見を尊重している人が言っていることもあって、ちょっと意外な印象を受けています。

最近の陽性者の推移データを見ると、確かに全体の陽性者数はまた増加傾向に有るものの、年代別で比較すると60歳代以上の陽性者数がぐっと減っていて、代わりに20~40代位の陽性者数が増加している傾向が見て取られます。やはり、高齢者向けのワクチン接種が2回接種官僚がほぼ半数まで進んでいるので、その影響が高齢者に対しては現れている事は確か。逆に若者層に対しては、自粛疲れ、緊急事態宣言疲れで感染対策が疎かになり、それによって同世代間での感染が広がっているように見られます。気になるのは、その若者世代の感染に関して、無症状社も多いこともあって「気にする必要は無く、普通の生活に戻れば良い」という意見を述べる人達や、陽性者数よりは重篤者数や死者数が減っていることが重要、実際医療崩壊は今はない、という意見を述べる人達。

ちょっと安易に扱われていると感じるのが、若者世代は感染しても重篤化するリスクは小さいから気にしないで言いと言うこと。確かに重篤化しないだろうし、多くの場合は検査して初めて感染が発覚するくらい無症状者が多いのかもしれない。でも、重篤化しなくても、色々な後遺症が残ることは既に多数の実例があるわけで、そう言うものをこれからの人生ずっと抱えなくてはいけないリスクに関して、もっと警告するべきじゃ無いだろうか。言われている後遺症では、例えば味覚障害とか嗅覚障害、あと運動障害(息切れとか)等も言われています。正直、これからの人生、色々な楽しみをする機会が一番ある若い世代が、それらの楽しむための要素が奪われる様な後遺症な訳で、そう言うものを犠牲にしても今深夜にお酒を飲んだり、カラオケしたりする事の方が優先されるのだろうか。

同じような事を、所謂「反ワクチン派」みたいな人達も実行しているわけで、例えばマスクなしでのデモとか、わざわざそう言うイベントを開催して人を集めるとかの行為は、正直なところその人達だけで閉じているならば好きにすればで終わるけれど、そう言う人達がもしかしたら自分の隣に座っているかもしれないと思うと穏やかでは無い。そう言う活動をしていた人が、実際に感染してしまい苦しい治療や後遺症に悩まされている事を、幾つかテレビでも見ましたが、ああいうことをもっと警告の意味も込めて周知させるべきでは。若い世代の後遺症に関しても、もっと熱心に伝えるべき多と思う。少なくとも、根拠も怪しい「反ワクチン報道」の量に比べて、そう言う啓蒙的な事前情報に関しての情報量が圧倒的に少ないのは大きな問題だと思う。「目に見えるリスク」関しては、個々にそれを見て判断出来るからまだ良いのですが、「目に見えないリスク」に関しては気がついたときにはもう手遅れな訳です。そう言う意味で、コロナ禍の若い世代の後遺症リスクに関してもっと啓蒙することが、彼らの未来を救うことにもなるし、今感染拡大しているコロナ禍を終息させる大きな手段の一つだと思う。

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