最初見たときには、民間のまとめサイトかなと思うくらいこれまでの常識が一寸変わる、首相官邸による各自治体の工夫集のサイト。 トップに8項目のカテゴリーが掲載されていて、それぞれの箇所に飛ぶようになっていますが、まだ埋まっていないカテゴリーもあり、ここどんどん各自治体の工夫で埋めていって欲しい。こう言う場合、官邸の担当者が自分で色々探して追加していくんだろうけど、大変だとは思うけれどどんどんリンクを充実させていって欲しいですよね。あと、よくよく見たらページの最後に「目次」として、これまで提供してきた情報へのリンクも貼ってあるんですが、これは先頭にあった方が良いんじゃ無いだろうか。あるいは、もっと目立つ形にした方がより有効だと思う。
実は、数日前に見ていた朝のNHKニュースで、各自治体が苦労しながらも接種スピードをアップさせるために色々工夫をしているのだけれど、自治体同士の横の連携が難しい。情報共有したいけれど、自治体のネットワークは一般のインターネットとは独立した閉鎖ネットワークなので、ツールも含めて手段が不足している、みたいな内容でした。そこで、故郷納税などのサイト構築で自治体と繋がりが有った企業が、情報共有ツールを開発提供して、それに各自治体の担当者が自分達のKnow-Howや困りごとを書き込むことで、必要な情報が互いに共有出来る仕組みを構築して作業効率がアップしているというような内容でした。企業なんかだと、仕事に役立つとなれば、LINEを導入したり、Zoomを入れたり、その辺りははるかに柔軟なんですが、流石に行政ともなるとそういうわけにはいかず、またネットワーク自体も外部と隔離された独自ネットワークとなると、サーバー一つ、アプリのインストール一つするにしても大変だと思いますし。
そのニュースの中で「あぁ、これがネットの健全な姿だな」と思ったのが、とある自治体の担当者の話。その人は、いろいろな自治体の情報を参考にしていて助かっていたのだけれど、自分のところはそんなに大きな規模では無いのでどちらかというと「情報を貰う側」でした。ただ、いつも貰うだけでは申し訳ない、ニーズは無いかもしれないと思いつつ、自分達の工夫した点を書き込んだところポジティブな反応が幾つもあり、それによって「Give & Take」の動機付けになった、と言うような話。本当、そうなんですよね。「情報共有」と一言で言っても、実は「共有するに足るだけの情報」が無いと意味が無い。それって、専門家が書き込むだけでも駄目で、様は「自分のニーズに合った、自分達でも実現可能な解決策」がどれだけ集まるかと言う事。専門的な知識が無くても実装素可能な方法とか、まさに自分達が抱えている課題を解決するドンピシャな解決策とか、この手の「お助けサイト」みたいな事をやった経験があれば同感して貰えると思うのですが、先ず最初は「兎に角書き込むこと」が重要で、情報量が増えてきたら、今度は内容を整理して、「よりアクセスしやすい形」にして行き、利用頻度・参照頻度を上げ貰う。そこから、以前の情報に対してのさらに追加の情報や、改善策、全く新しいアイデアなどが生まれてくるんですよね。それと、一つ一つの情報は全て同列に扱うというか、先ず否定は絶対しない。問題点や改善点が有るのならば、そう言う形で提言していき、その情報を上書きするのでは無く、「成長させて伸ばす方向」にしていくことが重要。それは、情報の内容よりも、書き込んだ人のモチベーションアップに繋がり、それによりさらに内容が充実していく切っ掛けになるからですよね。
多分、国内の自治体が一堂に会して、互いに相手の手法やアイデアを参照しつつ、自分達の考えを共有前提に公開することって、多分今回が初めての経験じゃ無いでしょうか。たまたまコロナ禍の対策として始まったのだけれど、これって別にコロナ対策情報だけに止める必要も無いわけです。例えば行政の効率化とか、場合によっては小さな地方自治体同士が協力して、仮想的な自治体組織みたいな物を作って、行政の効率化とか作業分担をするとか、全国の中小企業や個人経営のお店がネットで協業するようなことをやっても良いんじゃ無いだろうか。一つ一つの自治体から、都道府県に声を上げて、それを今度は全国知事会とかでまとめて、その中からまた選択されたものが行政機関に上がって、と言うのが今の縦割りの仕組みなんだろうけど、この情報共有は本当に困っている所と何か解決策がある所がP2Pで繋がる訳だから、即効性もあるし効率的でも有るわけですよね。どちらか一方では無く、ケースバイケースで柔軟に活用していくような環境が、これを機会に生まれて行って欲しいと思います。例えば、過疎化対策での協業とか、地方移住、あるいは複数拠点での生活する場合のネットワーク作りみたいなものとかも上手く進みそう。そして、それらが実現すると、例えば自治体間でデータ共有がやりやすいようにフォーマットを統一したいとか、一括管理したいとかのニーズも生まれて実現も進むだろうし。住民側としても、より高品質の行政サービスを低コストで享受できる機会が広がるだろうし。是非この機会を上手く利用して、チャンスに繋げて欲しいなと感じます。
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