ミニマリストを支える基盤

 本日は、再び同じ佐々木俊尚氏のnote『「フォグ化するミニマリスト」という新しいライフスタイルを考える』からの話題なんですが、こちらは別記事のコンピューティング技術の話ではなく「ミニマリスト」に関しての感じている話。自宅に戻ってきて以来、ずっと塩漬け状態だった荷物を今回断捨離する決意をして、その最初のステップを始めたところなんですが、それって「ミニマリスト」の始まりかと言えば、ちょっと違うかなぁという感じもしています。

この記事では、本題の前段階として、で切だけ品物を保持しない「ミニマリスト」と、このコロナ禍で外出できないために、必要なものを大量に保存しておく「プレッパー」を紹介。そこで、最近のデジタル社会を投影して、実はプレッパーと呼ばれる人達も、ミニマリスト的要素が増えていて「新しいミニマリスト」と呼ぶべき形になってきていると、その例を情報社会へと向けていきます。実は「プレッパー」の代表例として地方で農業を営む人を上げているんですが、所謂「ミニマリスト」を自称する人達の多くも地方へと移動して、農業などをしつつ都会の「無駄」を排除した生活を構築しているように感じます。

最近よく見るYouTubeのコンテンツの中には、地方移住とか古民家再生みたいな内容のものも多いのですが、多くの場合地方に拠点を移してきて新たに生活を始めると、それまで都会で使用していた便利商品は無くすことは出来ても、地方生活で必要なもの、例えばエアコンの代わりに薪ストーブとか、自家用車のセダンやミニバンは不要になっても、田舎用の4WD車とか軽トラは必須とか。さらには、古民家再生ともなると、インパクトドライバーに電動丸鋸等道具類が新たに必要になります。家庭菜園ならぬ家庭農業をやろうとすれば、農機具は勿論場合によってはトラクターとかも必要になり、決してミニマリストとは言えない状態になる場合も。一報で、向こう三軒利用怒鳴りから野菜を貰ったり、自分の里山とかあれば山菜が採れたりとか自然の恵みみたいなものの恩恵を受けられるので、その分都会では必要だった出費は抑えられるかも。そう言う「やり取り」というものを見ていると、結局は「AとBを交換している」という風にも見えるんですよね。例えば、10着あった手持の服を3着に減らした場合、そのままなら確かに「7着分を処分してミニマリスト化した」と言えるけれど、最近だと「7着分はレンタルで補う」となると、等価交換しているだけで「見かけ上のミニマリスト」と言えるような。とあるミニマリスト氏のコラムで、自分何も持たない、その分回りのコンピ二を自宅の冷蔵庫感覚で使う、みたいな事場があったけれど、最近ではコンビニが無くても宅配サービスを利用して、極端な話どんな山奥でも辺鄙な場所でもサービスを受けられる時代になってきました。言い方は悪いけれど、自分の負担を社会システムの中に紛れ込ませているようにも感じます。

それが良いとか悪いとか言いたいわけでは無くて、結局はプレッパーとかミニマリストという以前の時代の区分から、どれだけ自分の生活を現状の中で「最適化(Optimize)」して行くか、と言う定義に変わりつつあるんじゃ無いかと感じるわけです。都会に住んでいるのなら、24時間のコンビニサービスに、多品種格安で買い物できる安売り店を利用すれば、自宅内には水道と電子レンジがあれば食事には困らない。一方で地方だと、都会では不要だった車(軽四輪トラック)は必須だけれど、ホームセンターへ行けば必要な物は何でも揃っている。土地があれば、多少の飾履用品の生産も出来る。一方で、医療サービスとか公共サービスに関しては都会よりは充実していない場合が有り、万一の場合には不安も残る。その両極端のどちらかで無くても、その中間の何処かに自分にとって最適な居場所を見つければ良いわけで、そう言う意味では佐々木氏の言うところの「フォグ化」という、何となく回りに漂っている感が、都会とか田舎という地域による属性から、段々と自分を中心として構築される属性へと変化しているのが現在では無いかと思います。自分も自宅のある浜松に戻ってきて10年以上経ちましたが、子どもの頃の自宅回りは本当に田圃と畑しかない環境で、子供心にも「大人になってもこんな所で生活するのか」と疑問を感じたもの。高校卒業魚、大学社会人と30年以上外に出て、また自宅に戻ってきたところ、「田舎」ではあるけれど、回りの田圃や畑は住宅地になり、県内最大規模のモールが出来、ある意味自然と社会サービスがそれなりにバランスされた土地に変わってきました。都会のサービスになれてしまった自分には、まだまだ物足りなさは感じるものの、でもそれなりに居心地良く感じる程度にはなっています。だからこそ、手持の物欲を断捨離する決意も、やっと実行に移すことが出来たのかもしれない。佐々木氏の言うところの「フォグ化するミニマリスト」ですが、個人的には「生活最適化主義」とでも言った方がしっくりくるかなぁと思います。余り肩肘張らずに、その時その都度ベストと思えることを実行していくことが、自分には一番あっている気がする。

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