定義の違い

新型インフルエンザに関して、メディアでは日々の陽性者数が大きく取り上げられますが、個人的にはもっと重症者数や死者数の変化にも注目するべきだと思っています。それは、やはり感染した場合、それはそれとして仕方ないとしてもそこから先どれだけ早く軽傷で復帰できるかが次に重要になると思うから。 ところが、自分が理解していた「重症」と「中等」の意味が、実は全く違っている事を知りビックリしています。


こちらの方のtweetなんですが、貼付されている一般の人の理解と医療従事者の理解の違いの図が全てを物語っている気がする。私の個人的な理解度は、両者の間位で、

  • 軽症: 息苦しさ、咳の頻度多数
  • 中等症: 入院は必要(ECMO/ICUに入る必要はまだ無い)
  • 重症: 入院必須(ECMO/ICU必要)
と思っていましたが、専門家の理解というか本来の定義はさらにもう一段階深刻と言う事ですね。最近では、陽性者数は増加しているけれど、ワクチン接種の効果もあってか高齢者の重傷者数は大きく減っています。一方で、20~50代における割合は大きく増加しているわけで、でも、「軽症」とか「中等症」という言葉の響きだけで判断しているので、事の深刻さが全く理解されてないのでは。特に「中等症」程度というのは、入院必須で酸素吸入も必要な状態。しかも、仮に回復しても後遺症が大きく残るくらいの状態にまで進展しているだろうから、決して喜ばしい状態では無い。若い世代に対して街頭インタビューをよくしているけれど、その時にはこう言うことをちゃんと相手に伝えることを義務づけしても良いんじゃ無いだろうか。伝える側も、多分殆ど「一般の人の理解」と同程度の理解だから、インタビューしても危機感とか感じないんだろうなぁ。

未だに不思議なのは、これらのレベル定義が、例えば国と東京都で違っていたりとか、国際的にもばらつきがあるみたい。国際的な定義の違いは、それぞれの事情もあるから仕方ないと思うけれど、少なくとも日本国内では統一した基準で判定をして、だからどこそこでは病床が逼迫している、こちらではまだ余裕がある、という情報が意味を持ってくると思うんですよね。未だに、そう言う事をしない理由がよく分からない。東京都は、現在でも国内で一番新型コロナウイルスの影響が大きい自治体ではあるけれど、「重症者数」の定義で言えば、国の基準(「集中治療室での療養」が必要)よりもさらに厳しい基準(「人工呼吸器やECMO利用者」)を東京都は規準にしているので、実はあの数値でも実際よりは少ないと言えます。不安を煽ることは不必要だと思うけれど、同一の規準で判断していたならば、東京都の深刻さはもっと違った形で伝わった気もするんですが。

以前は上の図の一般の人の理解に自分持ち掛かったので、「新型コロナウイスルはインフルエンザみたいなもの」という意見にも一理あると考えていました。でもその後、「インフルエンザ程度に罹患したのに、後遺症に苦しむ」という話が幾つも出てきて、実は一寸不思議な気がしていたんですよね。だから、確かに若い世代は軽症で済むかもしれないけれど、後遺症の問題は深刻だからもっと注意するべき、という考えに変わってきました。でも、上記の定義を見ると、実は「軽症」とか「中等症」と言われていても、実は自分が理解していた「重症」に近い場合が殆どな訳で、それならば後遺症が深刻になることも理解出来ます。何か不都合なこと、問題となることを考えるとき、人間はどうしても自分に都合の良い様に思いがちで、それがこう言う定義の違いを生み出してしまうのだと思うけれど、それを今すぐにでも改めるべきだよなと再認識しました。

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