取材をしない新聞社

東京新聞が掲載した「 選手村のエアコン1万3000台も廃棄」という記事。開会式でのボランティア用等のお弁当や軽食4000食分が廃棄されたことを受けて、更なる無駄は怪しからんという論調。でもその記事の内容は、素人の私が読んでも一寸変(こじつけ)だし、早速以下略ちゃんによって検証されています。

新聞記事の中では、この1万3000台のエアコンは「リース品」と書かれています。従って、リースバックされたエアコンをどの様にするのか(再リースをかける、廃棄する)は、リース会社の判断であって、組織委員会の範疇では無い。ただ、通常の月額リース料金は本体価格の1/10が相場なのでオリ・パラ期間中に一月位の猶予期間を入れても、多分2~3ヶ月位のリース期間が精々。となると、リース会社としてもそのまま廃棄してはコスト割れになるので、当然少なくともコストリカバリー出来るくらいは再リースするはず。それをどの様に再リースするかは、リース会社と実際に使用する顧客との契約次第なのだから、本来ならリース会社に取材するべき話じゃないだろうか。また、指摘されているように、リース品の再利用の話が、途中から突然中古市場の話にすり替わって、しかも使用後は廃棄物処理回収することが多いという話にすり替わっている。リース会社から、廃棄処分にするという裏付けが取れたなら分かるけれど、多分リース会社に取材もしていないし、回収業者の話を付け加えただけだろうなぁ。

このスレッドの中で、2年前の朝日新聞の記事が指摘されて、その中でこのエアコン契約に関しては入札条件として「大会後に再利用先を見つけて譲り渡す」事を条件とし、さらに譲渡先を組織委員会に報告するようになっていると記事で伝えています。2年前の契約前の記事だし、その後1年間延期が決まったりして条件が変わっているから、その通りの内容で契約されているかは定かで無いけれど、別に選手村で使用したエアコンをそのまま廃棄するつもりは無いと言う事は言えるのでは。それに、この東京新聞の記事に関しては見出し詐欺という話も出ていて、見出しの、

弁当に続き、選手村のエアコン1万3000台も廃棄? 大会後の再利用は未定

と書いているけれど、廃棄すると決まっているわけでも無いのに「廃棄」と見出しに付け(後で言い訳できるように「?」も付けているのがセコい)、しかも「大会後の再利用は未定」と書いているけれど、それはリース会社の責任な訳で、今後どう言う再リースが発生するか現時点で分からない以上は「未定」となるしかないでしょう。 ネットでも指摘されているけれど、東京新聞は「リース」という事を知らないのだろうか。新聞社なら、コピー機とかFAXも含めた複合機を多数使用していると思うけれど、今の時代多くの場合はそれらはリース機じゃないだろうか。あるいは、仕事で使うであろうパソコンなんかもそうかもしれない。机や椅子などの什器類も固定し参加せずにリースにする場合も多いでしょう。多分、一般の会社だと何でもかんでも購入せずに、多少は割高になっても数年ごとに最新機能が使えるとか、そう言うメリットでリース機を使用することも多いはず。新聞社なら、カメラ機材なんかもリースの可能性があるんじゃ無いだろうか。それだけリースに馴染みのある会社のはずですが、この記者はそう言う事は知らないんでしょうね。

さらにこの記事の不思議な事は、記事の初めで、エアコン、トイレ、給湯器がパラリンピック終了後に撤去されると書いているのに、何故かトイレや給湯器には触れずにエアコンにのみ疑問を呈しています。個人的印象だと、エアコンよりもトイレの再利用の方が難しい気がするけどなぁ。給湯器も、ガス給湯器の場合だと地域によって使用するガスの種類が違うからそのまま使用出来ない場合も有るし、再利用可能な範囲はさらに小さくなると思う。そちらは、廃棄されても東京新聞は問題視しないのだろうか。エアコンにだけ確執しているようにも読める記事で、凄く不思議。開会式のお弁当は行き問題は、確かに1万食のうち4000食廃棄は大きな数字だけれど、それだけ多くの発注となると、どうしても多めに発注しておかないと手当が付かないだろうし、前日にキャンセル何て言うことも出来ない。しかも、同じ事がそれ以降も同様に発生しているならまだしも、開会式という大きなイベントの時一度だけのことならば、それをことさら取り上げるのも無理がある気がする。それならば個人的に聞いてみたいのは、放送局などで出演者に提供しているお弁当とか飲食物って、どれだけ廃棄処分になるんだろうか。今の時期、食中毒も心配だから、本来なら早め早めに処分することも多いと思うのだけれど。いずれにしても、取材もろくにしていないような機序掲載して、あっと言う間にネットで論破されるなんて言うのは、メディアとして一番恥ずかしい事だと思うけれど、彼らはそんなことは露ほども感じないんでしょうね。

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