職能集団ネットワーク

ジャーナリスト・佐々木俊尚氏の一連のtweetによる「知識人・インテリへの信頼性低下した一年」について。 「インテリ」という部分は「文化人」という言い方にしても良いんじゃ無いだろうか。

そんな人達が既存メディアを通じて自らの「専門知識」を発信するけれど、SNSで繋がっている「専門家」あるいは「専門的知識を高めて一般人」から、その正誤に関してや背景を訂正・批評・修正されるのが今の時代。それらの人達のことを佐々木氏は「職能集団」と表現しているんですが、まさに言い得て妙。うちの会社などは、一般的な企業で使用される組織体の中の地位、課長とか部長とかの「職位精度」と平行して、その技能レベルを評価して与えられる「職能格制度」というものがあって、例えば職位は「平社員」であっても、職能格的には「部長待遇」みたいな人もいるわけです。職位というのは、昔で言えば「出世競争」の目標の一つだったけれど、最近の若い世代ではそう言うものは好まれず、専門性あるいは独自のルールが適用出来る職能格の方を極める方が好まれるんじゃないだろうか。

世の中で「〇〇専門家」とか「〇〇文化人」的評価って、実績もあるんでしょうけど、やはり知名度とか組織体の中でのポジションで評価されるから、行ってみれば「職位」で評価されて取り上げられるもの。勿論、何も無駄飯を食べてそう言う地位に到達出来るわけでは無いけれど、例えば若い頃は凄く優秀なエンジニアだったけれど、高い職位に映る度に段々と技術的な部分から離れていき結果的に専門性では自身の知識や経験は古いままというのは良く有る話。あるいは、その組織体の責任者として、たまたま部下に恵まれるような場合、多分その人が評価されるべき点はチームリーダーとしての資質なんだろうけど、一旦そう言うポジションに着いて有名になると、その分野の専門家としての意見が求められてしまい、そこでボロが出てしまうというと失礼だけれど、力不足を露呈することになるんでしょうね。

もともとネットワークの「集合知」と言うものは、一人一人の知識や経験は断片的であっても、それらが複数集まって補完することで、一つの大きな「情報」になる事。SNSは、ネットワークの中でも最も簡便かつ迅速にそう言う「集合知」が集まる場になっているし、それが今回の様なオールドメディアの「専門家情報」に対して、SNSでの「職能集団知識」という構造を生み出しているんですよね。勿論、「職能集団知識」が全て正しいと言うわけでは内。これがカルト的な話とか誤解に基づく情報で固まってしまう事例も多く生まれているのがネット世界。だから、鵜呑みには出来ないけれど、ネットの特性故に日々情報が更新されることで、機能までは間違っていても、今日は修正されている、と言う事も有りうるのがSNSでの職能集団ネットワークのメリット何ですよね。ただ、そう言う個人的に高い職能性を持った人って、どちらかというとネットなどでの発信行動が苦手な人が多いような気も個人的に感じています。だからこそ、そう言う人達の情報を上手くまとめて公開出来るような「職能者」という存在も、今のネットの時代では重要なんだろうなぁ。ある意味「インフルエンサー」みたいなものなんだろうけど、自分自身に対してではないので「コーディネーター」とか「コンポーザー」とか「オーガナイザー」と言う言い方の方が合っている気もします。元来、既存メディアがそう言う存在だったはず何ですが、現時点でそれを期待することは無理ですしね。やはりネット時代の個人リテラシーとして、どんな情報も鵜呑みにせずに、まずは疑問を持って望むこと。また、自分が「正しい」「正解」と信じた内容に関しても、常にフィードバックを掛けて検証することを怠らないことが重要だと思うし、自分自身もこれからもそう言う事を忘れないようにしたいですね。

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