「持ち込み」と「居酒屋」

この記事を何度か読み返してみても、言っている意味がよく分からない。 「選手村への酒類持ち込みが禁止されていない」事に怒っている共産党の小池滉書記局長なんだけれど、まず選手が選手村と競技会場以外の場所に出ることが出来るのかどうか、というのが素朴な疑問。今の想定では、それは出来ないようになっているんじゃ無かったかな。で、仮に選手村にコンビニが出店していて、そこへのアクセスは選手が許されているとし、さらにそこで一般のコンビニと同様に酒類販売がされているとしても、それを購入して自室に持ち帰ることが「怪しからん、許されない」というのであれば、今国内でお酒を販売しているコンビニは勿論、酒類の自販機やお酒の販売をしている酒屋さんも含めて「禁止」しないといけなくなると思うのだけれど。

今問題になっているのは、お酒を購入して自宅で静かに飲むのなら問題ないけれど、そのまま近くの公園とか路上、あるいは駅構内の隅っこ(「ステーションバー」とかね)とかで飲んで騒ぐ輩がいることが問題なわけでしょ。そもそも試合や競技を控えた選手がアルコール漬けになって騒ぐとは思えないけれど、それでもストレスで飲みたくなる選手も無いとは言えないし、自分の競技が終わればリラックスしたくなるかもしれない。それで騒ぐ場合も有るだろうけど、それはその所属チームの責任者とか参加国の責任者が責任を持って管理すれば良いだけの話でしょう。元々、入国予定の選手は基本ワクチン接種済みが前提な訳で、今公園で飲んで騒いでいる日本人とは意味が違う。それを、そう言う人達と同類の想定で問題視して騒ぐ共産党の議員とか、その他一部野党の議員というのは、ちゃんと状況判断出来ていないわけで、そこは「相手を責めることが出来れば、何でも良い」という姿勢しか感じられない。

「日本中の居酒屋が『選手村』って名前を変える」と言っているらしいけれど、それって「居酒屋に客が自分の酒を持ち込む(BYO)」という事になるわけで、その場合はお店の酒類販売実績には繋がらないことは理解しているのだろうか。飲食店や酒類販売業者が「深刻な危機に瀕している」と言いながら、その状況をちゃんと理解していない証拠じゃ無いだろうか。それに、この「お酒」の問題は、お酒を飲むこと自体では無く、その行為によって人が密の状態に長期間滞留すること、アルコールによって大声での会話が増えて、飛沫感染のリスクが高くなること等の「三密」のリスクが高くなることが問題のはず。そう言うリスクが高まる状況に繋がりやすいから「酒類販売の制限」が生まれているわけで、アルコールが介在しなくても、例えばカラオケボックスに複数で長時間滞留したりすれば、やはり感染リスクは高くなるわけです。そう言う「事の本質」を理解せずに、しかも曲がりなりにも公党の代表者の一人が批判するというのは、「自分達はこの問題に関して理解していないこと」を自ら証明しているようなもの。本当に恥ずかしいと思う。

野党各党は、よく「政府の説明が足りない」とか「説明が曖昧」とか言うんですが、先ずは自分達の説明責任をただした上で言うべきでは。問題なのは、こう言う誤解を招くような発言や、以前の豊洲市場の地下空間問題のように、自分達の理解不足や勘違いから問題だと騒いで、結局それが問題で無い事が分かっても取り下げず、その落とし所のために余計な時間やお金が発生すること。そして、それを自分達の手柄として喧伝すること。豊洲市場なんて、移転まではあれだけ何年も大騒ぎしたのに、実際に移転して運営が始まったら全くと言って良いほど何も言わなくなりました。移転当初こそ、「ターレが回れない」とか「廃棄処理が出来ない」とか、以前の主張をしてみたものの、直ぐに現場から否定されてしまうと、もう後は知らんぷり。まぁ、共産党に関しては、極々たまには良いことも言うこともあるけれど、それでもそれ以外の部分のリスクが余りに多すぎることも事実。もっと現実路線に転換すれば、もう少し支持も増えると思うけれど、それって自らの存在意義の否定になるわけですからね。世界の自由主義圏の中で、「共産党」という組織が立法府で公式に活動しているのは日本だけと言う話も聞いたけれど、こう言う発言を聞いていると「前世紀の遺物」感をひしひしと感じます。

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